JCEIA 一般社団法人 日本化学品輸出入協会

ご挨拶

 

 一般社団法人日本化学品輸出入協会会長の堀川環樹です。

 当協会は、1953 年(昭和 28 年)設立の日本化学工業品輸出組合と 1976 年(昭和 51 年)設立の日本化学工業品輸入協会が 2010 年(平成 22 年)に後者を存続団体として統合し、その後 2012 年(平成 24 年)に一般社団法人日本化学品輸出入協会として発足しました。前身の輸出組合から数えると、昨年創立 70 周年を迎えました。協会に求められる役割も時代と共に変遷しており、現在は化学品の輸出入に携わる商社とメーカーがほぼ同数で加入する業界団体として、合理的で実効性のある法規制の実現に向け、業界と行政当局との橋渡し役を果たすとともに、化学品の輸出入企業におけるトレード・コンプライアンスの確保を支援する事業を中心に活動しています。

 近年、地政学的リスクの高まりとともに、新たに経済安全保障推進法が施行され、日米と同盟国による重要物資や機微な技術の輸出管理体制の強化、重要鉱物資源の安定的な確保、半導体サプライチェーンの強靭化など、化学品貿易において経済安全保障への対応がますます重要になっております。脱炭素社会の実現に向けて、GX 推進法施行とともに大きな構造改革が求められており、化学品管理のための国際的な新たな枠組みであるGlobal Framework on Chemicals の下、地球環境の保全と人々の健康と安全を守るため、化学品取扱事業者は、化学物質の製造、使用、廃棄段階を含む全ライフサイクルの健全な管理が求められるようになりました。

 このようなグローバルな経済政治情勢や地球環境保護の重要性から、国内外の化学物質管理規制や諸外国との貿易管理など、化学品に係る法規制は益々多様化・複雑化しており、 当協会の果たす役割に対するニーズは、会員はもとより、中堅企業や異業種からも高まっております。これらに対応するため、協会内に組織された 3 つの業務委員会とその下部組織である 5つのワーキ ンググループに会員企業の方々と一部外部の専門家の方々にご参加いただき、国内外の法規制動向等について調査・情報収集を行い、その成果を会員企業と共有しております。

 法令相談では、国内外の法規制や安全保障貿易に関する実務的な相談を、高い専門性とス ピード感をもって、丁寧に問題の解決に向けて助言を行っております。
 情報提供活動では、法令改正をはじめ最新情報を、連日リアルタイムで、会員企業より当協会に登録されたメールアドレス宛に配信致しております。
 セミナー・講習会の開催では、オンライン開催の常設セミナーに加え、人形町セミナーと称する演習を含んだ少人数による講習会を対面とオンラインでハイブリッド開催しております。
 法規制に係る諸課題については、委員会やワーキンググループで討議し、行政に提案や意見具申をさせていただいております。

 以上のような活動を軸として、化学品貿易の健全な発展を支援し、世界経済の持続的な繁栄・地球環境の保全・人々の生活の向上に寄与して行きますので、今後ともより一層のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

2024年6月
一般社団法人日本化学品輸出入協会会長
堀川 環樹