JCEIA 一般社団法人 日本化学品輸出入協会

関連資料

化審法に基づく化学物質の輸入通関時に求められる情報についてのQ&A

2022年1月25日改訂

化学物質の輸入を検討される事業者の方へ

化学物質の輸入者は、日本国内の製造者と同等の義務を負います。化学物質は我々の生活に欠かせないものである一方で種々の危険有害性を有し、様々な用途に使用されるため、その危険有害性や用途に応じた多くの法律によって規制されています。

この中の一つに、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息・生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染を防止することを目的とする「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)があります。

輸入者が把握する必要がある化学物質の成分情報について

ここでは化審法が輸入者に求める化学物質の成分情報の開示について解説します。

化審法では、第一種特定化学物質に代表される規制対象物質や新規化学物質を輸入する際には、事前に必要な手続きをとることを求めています。このため、具体的な確認手段として不純物を含め各成分について通関時に輸入申告書又はインボイスに官報公示の類別整理番号等の記入を求めています。更に、輸入をした化学物質については、年度毎に輸入量等の実績を国に報告することを求めており、輸入者はそれぞれの成分毎に含有率を把握しておくことが必要になります。

具体的には下記のQ&Aに示されるレベルの情報を輸入者は入手する必要があります。

Q:目的物の割合が97重量%である化学物質を輸入する場合、不純物である残りの3重量%の化学物質の成分情報に関して、化審法は輸入者に対し、どの程度まで情報提供することを要求していますか。

A:化審法では、輸入者に対して、1重量%以上含有する化学物質を特定するための情報を求めています。このため、3重量%の不純物についても、単一物質あたりの含有率が1重量%以上の化学物質については特定するための情報提供が必要となります。また、1重量%未満であっても、意図的に含有させている場合には化学物質を特定するための情報提供が必要になります。ただし、第一種特定化学物質については、たとえ1重量%未満の不純物であっても含有することは認められていません。以下に幾つかの具体例を用いて説明します。

ケース①

ケース②

ケース③

これまでの内容を纏めると次の表のとおりになります。

【参考資料】

  1. 輸入通関手続きについて(経済産業省Q&A)
  2. 化学物質の輸入通関手続(経済産業省)

【注意事項】

化学物質を輸入する場合は、化審法のみならず、安衛法、毒劇法等の他法令により求められる手続きも別途必要になりますので御注意ください。

【本資料の掲載について】

本資料は国内の化学品管理について、議論・検討を行っている化学物質安全・環境委員会の傘下に属している企業機密情報ワーキンググループが化学品の輸入者のコンプライアンス対応を支援するために作成したものであり、これを広く皆様方に情報を共有することで健全な輸入取引が行われるよう願うものです。ウェブサイトへの掲載にあたっては、政府当局・関係機関のご協力・ご支援を賜りましたこと御礼申し上げます。なお、内容については当委員会として十分な吟味を重ねたつもりではありますが、ご自身の責任においてご活用いただくようお願い致します。